要点:AI動画生成(Sora対応)で使える具体プロンプト集と注意点、失敗しない設計の4大要素、トラブル時の見直しポイントまで一気通貫で整理します。
まずは下の「10秒サマリー」で全体像を掴んでから本文へどうぞ。
AI動画生成プロンプト集(Sora対応) 10秒サマリー
- 英日ハイブリッドで意味を精査し、主題・動き・視覚効果・カメラの4要素を明示する。
- 著作権・実在人物・曖昧語は避け、尺・アスペクト比・照明・質感を具体に指定。
- 思惑外れ時は「動き」「ネガティブ指定」「焦点」を再定義して修正ループを回す。
OpenAIのSoraをはじめとするAI動画生成モデルは、私たちがコンテンツを作る方法を一変させました。しかし、これらの革新的なツールを使いこなすには、「プロンプト(指示文)」という新たな言語スキルが必要です。
「Soraで動画を作ってもなぜか思い通りの映像にならない」「高品質な結果を得るためのプロンプトの書き方がわからない」と悩む初心者の方は多いと思います。特にAI動画の場合、静止画と異なり「動き」や「時間の流れ」を指定する必要があるため、プロンプト設計の難易度が一段と上がります。
この記事では、SoraをはじめとするAI動画生成モデルで使える具体的なプロンプト例と、指示出し時の重要な注意点、そして書いてはいけない表現(NGワード)などを体系的に解説します。プロンプトは英語がいいのか、日本語でも大丈夫なのか、といった疑問にもお答えし、実際に使えるテクニックを提供することで、あなたのAI動画の品質を劇的に向上させるための思考プロセスを伝授します。
SoraをSEOに活用したい方は、「【完全ガイド】SoraをSEOに活かす方法」こちらの記事で網羅していますので参考にしてみてください。
プロンプトは英語 vs 日本語?言語の選び方
AI動画生成モデル(Soraなど)の基盤は、大量の英語データで訓練されています。このため、一般的にプロンプトは英語で書いた方が、AIが指示を正確に理解し、より高品質で意図通りの結果を得やすいとされています。
- 英語のメリット:
- 表現の曖昧さが減る(専門用語や技術用語の認識精度が高い)。
- AIの学習データに含まれる情報量が多いため、出力のバリエーションが豊かになる。
- 日本語のメリット:
- 思考プロセスをそのまま入力できるため、スピードが速い。
- 日本語特有のニュアンスや文化的な背景を表現しやすい。
推奨される方法: 日本語で思考を整理し、それをDeepLやChatGPTなどの翻訳ツールを使って専門用語や修飾語を精査しながら英語に変換して入力するハイブリッドな方法が、最も効率的で高品質な結果につながります。
※ 人物が話すような動画を生成したい場合は、言語によって人物の出身国が選択されますので、英語プロンプトで日本人を使いたい場合は、「Japanese」と明示する必要があります
AI動画の品質を左右するプロンプトの4大要素
AI動画のプロンプトを設計する際は、以下の4つの要素を意識して指示を具体化しましょう。これらは、単なる描写ではなく、AIが動画として「何をどのように動かすか」を決定づける重要な要素です。
要素 | 役割(何を指定するか) | キーワード例 |
---|---|---|
1. 主題 (Subject) | 動画の中心となる被写体、場所、シーン | A sleek robot, A cozy cafe, Japanese ancient samurai |
2. 動き/アクション (Action) | 被写体の動作、シーン内のイベント、時間の流れ | Walking slowly, Transforming into a car, Fast-paced chase |
3. 視覚効果 (Visual Style) | 画質、照明、色調、カメラアングル、レンダリング手法 | Cinematic 4K, Studio lighting, Macro shot, Oil painting style |
4. カメラワーク (Camera) | 視点の移動や撮影技術 | Dolly zoom, Slow pan, Wide establishing shot, Smooth tracking shot |
特に「2. 動き/アクション」と「4. カメラワーク」は、静止画生成AIにはない、動画生成AIならではの重要な指示要素です。これらを具体的に指示しないと、AIは意図しない不自然な動きをしてしまいます。
【実践プロンプト集】ジャンル別Sora対応プロンプト例
すぐに使える、高品質な動画生成のためのプロンプトテンプレートを紹介します。英語で入力する際は、形容詞や副詞を豊富に使い、ディテールを明確にしましょう。
1. シネマティック(映画風)シーン
【プロンプト】
A cinematic 8K aerial shot of an ancient Japanese castle on a misty mountain, with cherry blossom petals gently scattering in the foreground. The camera executes a slow crane shot, gradually revealing the vast, dramatic landscape under golden hour lighting. The atmosphere is peaceful and mystical.
(日本語訳:霧のかかった山に建つ日本の古い城のシネマティックな8K空撮映像。前景では桜の花びらが優しく舞い散っている。カメラはゆっくりとしたクレーンショットを実行し、ゴールデンアワーの照明の下で広大なドラマチックな風景を徐々に映し出す。雰囲気は穏やかで神秘的である。)
2. HowTo/手順解説(AIが得意な表現)
【プロンプト】
A 15-second instructional video. A user's hand clicks on a clean, simplified computer interface to drag and drop three distinct digital files into a designated folder. The camera uses a tight, overhead close-up shot to focus only on the digital screen and the mouse action. Minimalistic, modern design style.
(日本語訳:15秒の解説動画。ユーザーの手が、クリーンでシンプルなコンピューターインターフェースをクリックし、明確に異なる3つのデジタルファイルを所定のフォルダにドラッグ&ドロップする。カメラはタイトなオーバーヘッドのクローズアップショットを使用し、デジタル画面とマウスの動作だけに焦点を当てる。ミニマルでモダンなデザインスタイル。)
3. モーション・グラフィック風(抽象的表現)
【プロンプト】
An abstract motion graphic visualization of data flowing through fiber optic cables. Bright, glowing blue and magenta lines move rapidly through a dark, three-dimensional geometric space. The camera performs a fast fly-through shot, following the data stream. Highly detailed, Tron-like aesthetic.
(日本語訳:光ファイバーケーブルを流れるデータの抽象的なモーショングラフィックの視覚化。明るく光る青とマゼンタの線が、暗い三次元の幾何学的な空間を高速で移動する。カメラはデータストリームを追う高速のフライスルーショットを実行する。ディテールが非常に細かく、トロンのような美学。)
AI動画生成で「書くべきこと(DO)」と「ダメなこと(DON’T)」
高品質な動画を安定的に生成するためには、プロンプトに含めるべき要素(DO)と、避けるべき要素(DON’T)を理解することが不可欠です。
DO: 記述すべき要素(高品質化のコツ)
- アスペクト比と時間: 動画の尺(例:15 seconds)とアスペクト比(例:16:9 widescreen or 9:16 vertical)を明記する。
- 質感・素材: 被写体が何でできているか(例:made of glass, leather texture, metallic finish)を細かく指定する。
- 照明・環境: シーンの雰囲気を決める照明(例:soft light, neon glow, dramatic shadow)や天候(例:drizzling rain, sunny day)を指示する。
- 反復の強調: 意図した動きを確実に出したい場合は、プロンプト内で「Must be a slow pan」や「Focus only on…」のように強調する。
DON’T: 避けるべき要素(失敗や法的リスクの回避)
特に商用利用を考える場合は、以下の記述は厳に避けるべきです。
- 著作権物: 特定のキャラクター名、映画名、ブランドロゴ、著名なアーティスト名(例:Pixar style, Spider-Man, Disney)。→ 著作権侵害のリスク。
- 不可能な動作: 物理的に矛盾した動作や、AIが学習しきれていない極端に複雑な多重動作。→ 破綻した動画になる。
- 特定の有名人や実在の人物: 肖像権やパブリシティ権を侵害する可能性があるため、実在する人物の氏名や、それを強く連想させる表現。
- 曖昧な指示: 「動いている何か」「美しい景色」など、抽象的すぎる言葉。→ 意図しない結果になる。
思い通りにならない時のためのトラブルシューティング
プロンプトを何度か試しても意図した動画が生成されない場合の、見直しポイントです。
1. 「動き」の再定義
動画が静止画のように動かない場合、「動きの量」が不足しています。「Standing」を「Walking slowly」に、「Still」を「Gently rotating」に変更するなど、より能動的な動詞を組み込みます。
2. 「ネガティブ・プロンプト」の活用
AIが意図しないものを生成した場合、「~を含まないで(Negative Prompt)」という指示を別の欄(ツールに機能があれば)やプロンプトの最後に加えます。(例:No distortion, No people, Clean background)
3. 「焦点」の絞り込み
動画内で複数の被写体が動いている場合、AIの注意力が分散しがちです。「Focus on the robot’s face」「The camera follows the cat」のように、動画の主役とカメラの視点を明確に絞り込みましょう。
まとめ:プロンプトはAIとの対話である
SoraなどのAI動画生成モデルで高品質な結果を得るための鍵は、単に長い文章を書くことではなく、AIとの「対話」を成立させることです。そのためには、プロンプトの4大要素(主題、動き、視覚効果、カメラワーク)を意識し、形容詞や動詞を駆使してディテールを明確に指示する技術が求められます。
特に動画生成においては、「時間」と「動き」の指定が、静止画以上に重要になります。本記事で解説したプロンプトのテンプレートと注意点(DO/DON’T)を参考に、試行錯誤を繰り返し、あなたのアイデアを最も忠実に再現するAI動画を安定的に生成するスキルを身につけてください。
無料配布:AI × SEO チェックリスト(PDF)
メール登録でダウンロード。実務でそのまま使える全38項目。
※ 登録後は毎週1回、AI活用の最新Tipsをお届けします。
FAQ
プロンプトは英語と日本語のどちらで書くべきですか?
英語のほうが通りやすいことが多い一方、日本語で整理してから翻訳で精度を上げる方法が実務的です。迷ったら英日ハイブリッドを試してください。(日本人を生成したい場合は、日本語もしくは「Japanese」と明示する)
どの情報から書き始めれば良いですか?
主題、動き、視覚効果、カメラワークの順で要点を箇条書きにし、尺とアスペクト比を必ず指定します。最後に禁止したい要素をネガティブ指定します。
著作権まわりで避けたほうが良い指示はありますか?
固有名詞のキャラクター、映画名、ブランドロゴ、著名人を連想させる表現は避けます。商用利用では特に注意が必要です。
うまく動きが出ないときはどうすればいいですか?
静的な語を能動的な動詞に置き換え、カメラの追従対象を明示し、不要な要素はネガティブ指定で排除します。
コメント